「デシベル」とはなんなのか
デシベル(単位dB)というのはよく聞く単位だと思います。
一般的に聞き馴染みがあるのは音の大きさを表したりするときですかね。
ですが、デシベルというのは音の大きさに限らずいろいろな場面で使われる単位です。
では、デシベルというのは一体何を表しているのか?という話です。
デシベルとは?
デシベルというのは、音圧、電力、利得*1など、物理量をレベル表現を用いて表すときに使用される単位である。
と、Wikipedia先生には書かれています(
「物理量をレベル表現する」というのはどういうことかというと、
基準となる物理量に対するその物理量の比を対数で表した量です。
基準量をとしたとき、物理量のレベル表現は
と表します。
例えば、基準量、物理量だった場合は
]
となります。このときの単位はと書き「ベル」と読みます。
おいおい、デシベルじゃねぇじゃん って話ですが、一旦ここは「ベル」で話を進めます。
具体的な話に移ります。
入力に対して、出力が100倍されるアンプを通したときの利得は
]
となります。
次に、このアンプの後ろに更に1000倍のアンプを通した場合を考えます。
入力を100倍して、更に1000倍するので出力は100000倍になります。
これをベルで考えると
]となります。
100倍で2[B]、1000で3[B]だったのでこれは単純に2つのレベルを加算したものになりました。
ベルで考えることは乗算しなければならない倍率の計算を、簡単な加算に置き換えられるということです。
なぜ加算になるのかは簡単な話です。
という式は、変形するととすることができます。
の式はベル、べき乗の式は倍率です。
これを先程の例に当てはめて考えてみるとなので
、ですね。
100倍して1000倍するので、これを掛け算するわけですから
となります。
つまり、指数法則でですね。
ベルに直して考えればとなりますので、
乗算が加算で置き換えられたということです。
ベルを加算するというのは、n倍することと同じという事はわかりました。
ではベルを減算する場合はというと、シンプルに除算と同じです。
倍するのは]ということです。
なんとなくベルの便利さが理解できたでしょうか?
で、”デシ”ベルとはなんなのよ
今まではベルの話をしてきました。ではデシベルはなんなのってことですよ。
ベルは非常に便利なんですが、実用上よく使われる1/10~10倍の範囲が-1~1[B]ってことになるわけです。
なので多くの場合±0.x[B]という表現になるので少し使い勝手が悪かったんですね。
そこで、値が10倍になるように単位を1/10倍したものを用意しました。
これが「デシベル」です。
「デシ」というのはSI接頭辞の一つです。キロ(k)やミリ(m)などの仲間です。
ミリは1/1000を表しますが、デシは1/10を表します。つまり、デシリットルのデシと同じです。
単位を1/10したので、値は10倍しなければいけないのでデシベルの計算式は
]
となります。
相対量と絶対量のデシベル
デシベルで表す物理量では相対量と絶対量としてのデシベルがあります。
意味としてはどちらも比を表したものですが、相対量では任意の値を基準に、絶対量では基準があらかじめ定義されています。
利得などを表す場合は相対量のデシベルで表されます。
絶対量のデシベルは、よく使われるのは音圧レベルの表現時です。
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